踊るように歩いていた女の子。「上手に」の先にないもの。

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秋の公園

目の前を楽しげに歩く女の子が転びそうになり

ベビーカーにつかまって立ちあがる。

 

それでもウフフと可愛い笑顔。

 

その女の子の耳元に

「上手に歩いてって言ったでしょ」と

必死に覆いかぶさるように躾けるママ。

 

そうか、あんなに小さな頃から

「上手に」

と教えられるもんなんだと

しみじみ後ろから見ていた。

 

「自由に楽しく」

といった感覚は

大人になる前に

失われ切るのだなあと。

 

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でもたいがいの両親がそうだよね。

良かれと思って教えるんだ。

 

ベビーカーには弟らしき赤ちゃん。

女の子は3歳くらい。

 

うん。

 

連れて歩くだけで骨が折れるし

転びでもしたら大騒ぎだもんね。

 

そう理解しつつも

踊るようにウキウキと歩いていた

女の子の姿が忘れられなかった。

 

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「ころんだら、じぶんで、かんがえる」

その時間をもし持てたら。

 

「たのしく、でもころんだら痛いから、ころばないように」

という自分らしい歩き方を開発するんだろうな。

 

それは「上手に」というお手本の先には見出せぬもの。

 

そう考えると

見守ることも深い愛情なんだなあと思った。

 

立派な家よりも

すごい教育よりもなによりも。

できるだけ手出しせずに

信じて見守る。

 

その子らしい可能性の花が咲くようにと。

 

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そう

もう転ばぬ先の杖はいらないんだ。

 

「上手に」の先にある

「自由に、自分らしく」が欲しいんだ。

たとえ失敗しても。

 

女の子の足どりを目に焼きつけながら

つぶやいた秋の日でした。

 

 

 


2016-11-18 | Posted in BLOG, Live 生きるって?No Comments » 

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